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2008年6月21日 公開 上映時間 125分 題名 : 奇跡のシンフォニー 〜AUGUST RUSH〜 原案 : ニック・キャッセル 脚本 : ニック・キャッセル・ジェイムズ・V・ハート 監督 : カーステン・シェリダン 言語 : 英語・日本語 出演者 フレディ・ハイモア、ケリー・ラッセル、ジョナサン・リス=マイヤーズ、ロビン・ウィリアムズ他 主題歌 あらすじ : 養護施設で暮らしているエヴァンは、11歳と16日。毎日、必ず両親が迎えに来てくれると信じて、日を数えている。エヴァンの両親は、共に音楽家だった。両親の才能を受け継いだエヴァンは、耳ではなく心で音を感じる天才的な才能を持っていた。 両親との再会を信じて疑わないエヴァンは、養子縁組も考えてみるようにと言われた日の夜、不思議な音の導くままに両親を捜すためマンハッタンへと向かった。 そこで出会った黒人の少年アーサーを通じて、ウィザードという音楽の才能のある子供たちにストリートミュージシャンとして、働かせ、お金を稼いでいる男に出会う。しかし、ウィザードとの出会いをきっかけに、音楽の才能を開花させていく。 警察の手入れから逃れる際、ウィザードから、養護施設に連れ戻されない為に、本名ではなく「オーガスト・ラッシュ」と名乗れと言われ、以来名前を聞かれたときには「オーガスト・ラッシュ」と名乗るように。みんなとバラバラになったオーガストは、聖歌隊の声に惹かれてある教会へ。そこでその天才的な音楽の才能を神父さんに見いだされ、有名な音楽学校へ通えることになる。 本格的に音楽を学び、めきめきと才能をのばし、ついには彼の作った曲が音楽祭で演奏されることになり、さらに彼自身が指揮をする事になる。 一方、エヴァンの両親であるライラとルイスは、お互いを思い合ったまま離ればなれになって11年16日。ルイスはライラを思い続け、ライラはルイスと我が子を思う。そして、真実を知ったライラは、我が子を探すために、ルイスはライラと再会するために、NYへ… 麦畑(?)の中に立ち、風と穂と葉が奏でる音楽を、心で感じ、響きあう音と音が共鳴するのを、楽しそうに体全体で感じているエヴァン(フレディ)の姿に、冒頭からあっという間に映画の世界へと引き込まれてしまった。 フレディの 「両親は必ず迎えに来てくれる。2人は僕を捨てたんじゃない。きっとどうしようもない理由があったんだ。」 と信じ切っている真っ直ぐな瞳は、まるで本当に彼自身がそうであるかのような錯覚を起こしてしまうくらいの名演技だ。養護施設で育つ子供たちの心に、日々忍びよって囁く(両親に捨てられた)(僕は、私は、いらない子だったんだ)(迎えになんてくるもんか)悲しみと不安の声は、子供たちの心の奥底に住み着き次第に明るく健全だった心をむしばんでいく。そんな中に、エヴァンはただ一人、両親との再会を信じていた。両親が捜せないでいるなら、捜しに行こう。そこから、彼と両親と音楽の素敵な再会の物語が始まっていく。 この映画の中で使われている音楽の一つ一つが、素晴らしい。 エヴァンがギターを弾いている姿は、体の中から溢れて溢れて仕方のないメロディーやリズムが指先から体全体から迸りでていて、両親から受け継がれた無条件の音楽の楽しさと感動を、観ている人々全員に与えたんのではないだろうか。 音楽に携わっているシーン以外でも、ハイモアが天才子役と言われる所以が、この映画のあちらこちらに存分にちりばめられていて、ため息が出る。 もどかしい程のすれ違い。けれどこういうすれ違いは、特別なことではなくて、わたしたちの日常でも、実は茶飯事に起こっている出来事なのだろうな…と思う。だからこそ、奇跡を奇跡と信じることが出来るんだと。 我が子が生きていると知らなかった母ライラ。事実を知った時、彼女の止めどなく溢れる涙が、涙と共に心に刺さる。そして、恋人を失ったことで、生きる屍のような生活を送っていた父ルイスもまた、ふとしたきっかけでライラと再会する事を決心をする。2人の共通だった音楽。そして2人を離ればなれにする原因にもなった音楽。辛い過去から逃避する事でかろうじて生きているような2人が、別々の場所で、再び音楽へと戻っていくようすは、別々の次元を一緒に観ているから感じにくいけれど、そのこと自体が奇跡の始まりだ。一つの奇跡が次の奇跡へと。そしてまた次の奇跡へとつながって行く。子供がいることを知らないルイスが、我が子と知らず、そしてまた父と知らず、ただギターを通して出会い心を通わせる場面は、一見すれば、なんということのない日常の出来事の一場面でしかないのだけれど、父と子と知っているだけに、じれったさとなんとも言えない感動がごちゃごちゃに入り交じる。何気なく言ったルイスの一言が、最後の奇跡への布石となるなんて。 孤児として育った人々の心の傷。それはどれほどに深く辛いものだろう…。ウィザードの苦しみと悲しみもまた、胸の奥に小さな火となってくすぶっている。 最後のオーガストの交響曲は、素晴らしくて、音楽だけでも心がふるえて涙が自然に溢れてくる。そして、ライラもルイスも導かれるままに… 心に一滴落ちた雫が静かに波紋となって広がり、その上を穏やかな風がゆったりと吹き続け、波紋は消えることなく何処までも何処までも、何処までも何処までも広がりつづけるように、感動が心の表面から奥深くへと、ゆっくりゆっくり浸透していく…信じ続ける心は…奇跡を…起こすのだと…そう…奇跡は起こるのだ… |
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